
特定技能外国人を採用する企業にとって、就労時間の設定は重要なポイントです。特定技能では原則としてフルタイムで働くことが求められており、日本人労働者と同様に労働基準法などのルールを守らなければなりません。勤務時間を適切に設定していないと、在留資格の手続きや労務管理で問題が生じる可能性があります。ここでは、特定技能外国人の就労時間について、フルタイムの考え方や残業、休憩、休日などの基本をわかりやすく解説します。
特定技能外国人の就労時間はフルタイムが基本
特定技能外国人は、原則としてフルタイムで業務に従事することが求められています。出入国在留管理庁の運用では、フルタイムとは原則として週5日以上かつ年間217日以上勤務し、週の労働時間が30時間以上であることを指します。また、特定技能外国人の所定労働時間は、受入れ企業で働く通常の労働者と同等であることが求められます。
そのため、短時間のアルバイトやパートのような働き方を前提として特定技能外国人を雇用することは基本的に想定されていません。企業側は、雇用契約を結ぶ前に自社の勤務日数や所定労働時間が制度の基準に合っているか確認しておく必要があります。
また、特定技能外国人は一つの受入れ機関との雇用契約に基づいて働くことが基本であり、複数の企業を掛け持ちして勤務することはできません。人手不足だからといって、勤務日数を極端に減らしたり、別企業で不足分の勤務時間を補ったりする運用は避けましょう。
労働時間や休憩、休日は日本人と同じルールが適用される
特定技能外国人にも、日本人労働者と同じように労働基準法が適用されます。外国人だから長時間勤務をさせてもよい、休憩を短くしてもよいということはありません。受入れ企業は、就業規則や雇用契約の内容だけでなく、実際の働かせ方についても法令を守る必要があります。
原則は1日8時間、週40時間まで
法定労働時間は、原則として1日8時間、1週間40時間です。ただし、業種や勤務形態によっては変形労働時間制などを利用する場合があります。繁忙期と閑散期で勤務時間が異なる企業では、制度を正しく導入したうえで勤務時間を設定することが大切です。
また、始業前の準備や終業後の片付けなども、会社の指示のもとで行っている場合は労働時間に含まれることがあります。タイムカード上の時間だけを見るのではなく、実際の勤務状況を把握しましょう。
休憩と休日も適切に確保する
労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩が必要です。休日についても、原則として毎週少なくとも1日、または4週間を通じて4日以上を確保する必要があります。
外国人本人が希望している場合でも、法令に反する形で休憩や休日を減らすことはできません。十分な休息を確保することは、事故や体調不良を防ぎ、安定して働いてもらうためにも重要です。
残業をしてもらう場合に確認しておきたいこと
特定技能外国人も、必要な手続きを行えば残業をすることは可能です。ただし、特定技能だから自由に長時間労働をさせられるわけではありません。法定労働時間を超えて働いてもらう場合は、36協定の締結や届出など、通常の労働者と同じルールに従う必要があります。
時間外労働の上限は原則として月45時間、年360時間です。臨時的な事情がある場合の特別条項にも上限が設けられているため、企業は日々の勤務時間を正確に管理しなければなりません。
また、残業や休日労働、深夜労働を行わせた場合には、条件に応じた割増賃金の支払いが必要です。外国人本人が制度を十分に理解していないと、給与明細を見たときに疑問や不信感につながることもあります。残業時間の計算方法や手当について、事前にわかりやすく説明しておくと安心です。
就労時間を適切に管理して安心して働ける環境を整えよう
特定技能外国人の就労時間は、フルタイム勤務を基本としながら、日本の労働関係法令に沿って設定する必要があります。週の勤務時間だけでなく、勤務日数、休憩、休日、残業時間まで含めて適切に管理することが大切です。
雇用契約を結ぶ際には、始業時間と終業時間、休憩時間、休日、時間外労働の有無などを具体的に示し、外国人本人が内容を理解できるように説明しましょう。勤務開始後も、契約内容と実際の働き方に差がないか定期的に確認することが重要です。
特定技能外国人が安心して長く働ける職場をつくることは、離職防止や人材定着にもつながります。企業側が就労時間のルールを正しく理解し、無理のない勤務体制を整えることが、安定した受入れの第一歩です。
